※𝕏(旧Twitter)に投稿した記事からの転載です。

2024年はみなさんにとってどんな一年だったでしょうか。私自身は、相談・執筆・講演の活動に励む中で、「老後不安バスター」という肩書が昨年以上に浸透した一年だったように思います。そして、その肩書の浸透は、公的年金や確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)に関する話題を毎日お届けしている𝕏なしには語れません。そこで今回は、今年2024年リポスト(以下、RP)数が多かった投稿ベスト10(同数の場合はいいねの多い順)を、投稿に込めた想いとともにご紹介します。では早速、1位からどうぞ!

第1位:特別法人税の撤廃

𝕏というのは非常に面白いですよね。こちらは情報としての価値はあまりないので、正直「RPはあまり見込めないかなあ」と思いながら投稿をしました。情報としての価値があまりないことは、ブックマーク数の少なさからも明らかです。

さて、特別法人税は、2026年3月末に凍結期限を迎えるので、「凍結の継続」「凍結の解除」「撤廃」いずれかを、2026年税制改正で決めなければなりません。3月に投稿した時点では、「政府・与党=自民党・公明党」を想定していましたが、来年の今頃はどうなっているのか。「撤廃」を明確に掲げている立憲民主党や、この投稿を見て撤廃の必要性を言及してくださった国民民主党・玉木代表の動きにも注目です。

第2位:iDeCo事業主証明廃止

2024年12月から会社員や公務員などのみなさんが、iDeCoに加入しやすくなりました。事業主証明の依頼をするのが面倒とおっしゃる方も多く見てきましたが、「イデコハラスメント(イデハラ)」という言葉があることも、日経新聞等で紹介されていましたね。

12月からは、原則としてもうその心配はいりません。事業主証明を理由に加入を躊躇っていた方は、年末年始の期間に加入の手続きを行いましょう!

第3位:差し押さえ禁止財産

2023年の大みそかにも、年末のあいさつとともに反響が大きかった投稿を紹介したのですが、その直後年の瀬ギリギリに生まれましたw 最後の最後まで何が起きるか分かりませんね!昨年版に間に合わなかったので、特別にランクインです。

差し押さえ禁止の話は定期的に紹介していますが、毎回「へぇー知らなかった」という反応をいただきます。老後資金を準備するための器としてiDeCoとNISAどちらがよいのか、一つの判断材料になることでしょう。下の投稿のリンク(署名記事)もぜひご覧ください(ちなみに惜しくも第11位でした)。

第4位:産前産後期間の保険料免除

昨年2023年も、産前産後期間における国民年金保険料の特例を紹介した投稿を、広く拡散していただきました。20~40代の女性で国民年金の第1号被保険者に該当する方はあまり多くないかもしれませんが、2019年2月以降に出産された方、手続きを忘れていませんか?時効がないので、今からでも間に合います!

今年2024年版では、2024年1月からスタートした国民健康保険料免除制度を新たに追加。2026年10月1日からは国民年金保険料の免除措置について、男性も対象に加わるほか、1歳になるまでの期間に拡張予定です。今後も、その動向を紹介しますのでお見逃しなく!

第5位:年収の壁

今年2024年は、国民民主党の躍進とともに「103万円の壁」に注目が集まった1年でした。いわゆる「106万円の壁」を意識したこちらの投稿。長く固定ポストに留めていたこともあり、最も「いいね」が集まっています(12月21日時点で766いいね)。

今回の投稿は、パート先は106万円を超えて働くことを容認しているにも関わらず、「106万円を超えて働くと損」という情報を優先してしまっている方に向けて書いたものです。リンクの署名記事も含めて、「お前は政府の言いなりだ」と批判されることもありますが、現在の制度やルールをもとに適切な行動を考えるのは一つ当然でしょう。私が、年金を含めて今の社会保障制度に思うところは、また別の機会で述べることにします。

第6位:NISAとiDeCoに立ちはだかる壁

NISA拡充とともに始まった2024年。投資運用がより身近になったことは、衆目の一致するところでしょう。しかしながら、その必要性を理解していながらも「やっぱり・・・」という高いハードルが立ちはだかっている方も多いようです。なかなか手厳しいリプや引用RPもありますが、相談される方の年齢や性格等も見ながらアプローチ方法を変えているのが実際のところです。

NISAやiDeCoに関する相談を多く受ける一方で、富裕層や定年前後の方からの相談に対して、さまざまな選択肢を提供できるよう私も研鑽を重ねています。2025年は、その内容もどんどん𝕏や執筆記事の中に盛り込んでいくつもりです。

第7位:iDeCoと企業型DCの併用

個人的に、企業の人事や労働組合の方とも多くお会いした一年でしたが、iDeCoの話をすると時々、「うちは企業型DCがあるからiDeCoができないんですよ」とおっしゃる方がいます。正直、その言葉を聞くと、企業型DCの継続投資教育が機能していないなあという印象です。

第2位の「事業主証明の廃止」と合わせて、会社員や公務員のiDeCo加入を阻んできた壁はもう存在しないことを改めて強調しておきます。そして、与党の税制改正大綱では、図の55,000円が62,000円になる案が示されているところです(iDeCoの上限は撤廃)。「iDeCo野郎」としては、老後資金の準備におけるiDeCoの価値を、2025年もっと多くの方に伝えていきます!

第8位:iDeCo×50代

現在最長で65歳を迎えるまでとされている掛金拠出期間(加入期間)を70歳まで延長する案も、iDeCo改革における重要なポイントとなるでしょう。50代からでもiDeCoに加入するメリットが、今後ますます広がりそうです。

こちらの署名記事でも、50代からiDeCoを始めるメリットや注目が集まっている理由を解説しておりますのでぜひご覧ください。第8位までiDeCoに関するさまざまな投稿がランクインしましたが、それらもすべて盛り込んだ記事となっています。

第9位:厚生年金の養育期間みなし特例

国民年金保険料の産前産後期間の免除を第4位で紹介しましたが、こちらは会社員や公務員など厚生年金保険に加入するパパ・ママが対象です。国民年金保険料よりも対象になる方が多いと思います。新たに負担が増えることもなければ、怪しい話ではありませんので、安心して教えてあげてください(笑)結構知らない方が多いんです!

私が𝕏で年金の話をする理由は、年金の「知らなきゃ損」をなくしたいからです。だからといって、「知っていたらお得」とドヤ顔で伝えるものでもないと思います。誰もが当たり前に、制度やルールを活用できる社会に向けて、みなさんのお力を貸してください!

第10位:年金の繰り上げ受給

最後第10位には、公的年金の繰り上げ受給に関する投稿がランクインしました。いわゆる「株クラ」界隈の方々を中心に盛り上がったようですが、すでに余裕ある資産を築かれている方は特に、自由な選択をしていただけばいいと思います。貯蓄が少ない方を前提としている点にご注目ください。

別の投稿でも書きましたが、私が年金受給の話で伝えたいことは、「65歳より後に繰り下げろ」でもなければ「65歳より前に繰り上げるな」でもありません。結局のところ60歳から75歳になるまで好きなタイミングでもらい始めるだけの話で、それぞれの選択肢の留意点を丁寧に伝えることが私の役割です。

番外編:企業型DC×新入社員

RP数では第9位相当なのですが、この投稿を引用する形で企業型DCに関する他の投稿をしていたことから、番外編に据えました。そのような事情もあり、インプレッション数では第1位です。

今年8月には、企業年金連合会から「企業年金管理士(確定拠出年金)」の認定を受けました。企業型DCを導入する経営者や人事部門、労働組合、社員のみなさんとの対話を通じて再認識した企業型DCの課題等を、来年はもっと共有していきます。企業年金改革の動向等に関するセミナーも、随時開催が可能です。

2025年は「改革」の嵐が待っている!

今回は、2024年にRP数が多かった投稿ベスト10を紹介しました。2024年の締めくくりにあたって、RPしていただいた方以外にも、フォロワーやいつも「いいね」をしてくださるみなさんには、感謝の言葉しかありません。今年一年、本当にありがとうございました。 来年2025年は、公的年金やiDeCo(を含む私的年金)改革の議論が本格化します。その過程においては、それぞれの正義の下に、世間にはさまざまな情報や主張が飛び交うことでしょう。私も、みずからの正義の下に立ち向かっていくだけです。新たな企画も進行中ですので、2025年も𝕏とリアルの両方での交流をよろしくお願い申し上げます。それでは、どうぞ良いお年をお迎えください。

※ランクインしなかったものも含めて、すべての投稿はプロフィールのハイライトタブからご覧いただけます。