以前簡単にご紹介した、一般社団法人中小企業退職金制度支援協会代表理事の花城正也税理士の『損する社長、得する社長 中小企業のための確定拠出年金』を詳しく紹介します。丁寧に分かりやすく書かれているので、はじめて企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)に触れる中小企業経営者でも大丈夫です。経営者と社員、会社の未来に、「企業型DC」という新たな選択肢を加えてみませんか?

概要

■著者 花城 正也
・株式会社アーリークロス代表取締役
・税理士法人アーリークロスCBO兼CPO
・一般社団法人中小企業退職金制度支援協会代表理事。
■タイトル 『得する社長、損する社長 中小企業のための確定拠出年金』
■出版社 クロスメディア・パブリッシング

こんな中小企業経営者におすすめ

・これまで汗水たらして頑張ってこられた中小企業経営者
・老後資金に悩む中小企業経営者
・老後の夢を実現したい中小企業経営者
・社員のことを第一に考えている中小企業経営者
・さらに魅力的な企業に成長させたいと思う中小企業経営者
・社内を活性化させたい中小企業経営者
・採用活動を積極的に行っている中小企業経営者

おすすめポイント

一度立ち止まって老後を考える機会に

中小企業の経営者の皆さまは特に、会社の資金繰りなどに頭を悩ませていることかと思います。そのような中では、老後のことを考える余裕や時間がなかなか取れないのではないでしょうか。また、老後資金への不安から、後ろ向きに働き続けることを決めている経営者も多いのではないでしょうか。

当然ですが、経営者だって一人の人間です。仕事以外にも、夢ややりたいことがあると思います。本書を読みながら一度、ご自身の老後に素直に向き合ってみることをおすすめします。もちろん、やりたいことをするためにはお金が必要です。中小企業の経営者がこれまで活用してきた保険や共済と比べた、企業型DCの優位性について詳しく書かれています。他の方法よりも、少ない元本で資産を雪だるま式に増やせる点は、企業型DCの魅力です。

そして、企業型DCは、経営者だけにお得な制度ではありません。社員にもその恩恵がある点は大きなメリットです。

税理士だからこその信頼

給与から天引きされて積み立てられる企業型DCの場合、社会保険料や所得税、住民税が軽減される効果もあります。これは経営者にも、社員にも大きなメリットがあります。しかし、企業型DCに関する書籍やメディア記事の中には、そのメリットを誇大化しているものが多いことも事実です。本書は、税理士としての信頼に基づき、軽減されることによるデメリットも示されています。その上で、メリットがデメリットを上回ることを、数字を用いて冷静に分析しています。

企業型DCの導入は企業としてのアピールポイント

本書は、長年企業型DCの普及と導入に力を入れてこられた著者だからこそ分かる、企業型DCの効果に詳しく言及しています。この点に細かく言及している書籍やメディア記事は、他にないと思います。私自身も、DCプランナー(企業年金総合プランナー)として、企業型DCの導入がステークホルダーへの大きなアピールポイントになると思っております。

企業型DCの導入は、正しい経営判断を促し、生産性やモチベーションの向上による社員の定着率向上、人材採用率の向上といったメリットがあります。メリットは全社的な観点から分析し、活かしていく必要がありますので、財務や人事担当者でこの本を読まれた方は社長にこの本を渡してみてくださいね。

事例やインタビュー記事満載で分かりやすい!

・「企業リスク=働く人の老後リスク」にしない。
・将来への不安が解消されることで、雇用主と従業員の間に、良い緊張感が生まれる。

各章の末尾に、企業型DCを導入した企業の事例が掲載されているので、より実感を持って読んでいただけると思います。最後の章では、マネーフォワード執行役員の瀧俊雄氏との対談が掲載されていますが、本書のまとめとしても大変読み応えがあります。私は最後にこの2ヵ所に強調線を引いて、充実感を持って本を閉じました!

【DCプランナー推薦本】得する社長、損する社長 中小企業のための確定拠出年金(花城 正也氏著)” に対して4件のコメントがあります。

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