お金の悩みは結局、「老後への不安」に繋がっている場合がほとんどです。年齢や貯蓄額によって、その程度に違いが見られるだけと言っていいでしょう。そこで今回は、「①老後が差し迫って不安」「②なんとなく老後が不安」というそれぞれのタイプ別に、おすすめの本や動画をご紹介します。

老後が差し迫って不安な方におすすめの本

老後が差し迫って不安な方には、確定拠出年金アナリストの大江加代氏が2023年1月に出版されたばかりのこちらの本がおすすめです。大江氏は、マスコミでもよく登場する年金のスペシャリストです。私も尊敬している専門家の一人です。

概要

■著者 大江加代
■タイトル 『役所や会社は教えてくれない! 定年と年金 3つの年金と退職金を最大限に受け取る方法』
■発売日 2023/1/13
■出版社 ART NEXT

こんな方におすすめ

・会社員としてこれまで頑張ってこられた方
・50代以降で老後不安が顕在化してきた方
・年金の受け取り方をどうすればいいか悩んでいる方
・年金や退職金などをどのように使っていけばいいか悩んでいる方
・会社を辞めるかどうか考えている方
・金融機関などが主催するセミナーに参加予定の方
・(年齢問わず)iDeCoを使って資産形成を考えている方

注目ポイント

本書は、老後不安に陥っている方に、「待った!」をかける一冊です。定年間近に、金融機関などが主催するセミナーに参加する前に本書を是非読んでください。焦る気持ちを抑えて、冷静な判断が可能になります。本書の内容は、年月が経っても色あせることはありません。たった1,540円のこの一冊をテーブルに置いて、ご家族で話し合うことから始めてみましょう。

会社員はビックリ!?老後の収入を把握

「国から入ってくるお金(公的年金)」、「会社から入ってくるお金(退職金や企業年金)」を把握していない方が多いことは、私もファイナンシャルプランナーとして同感です。本来入手できる情報を知らないことが判断を誤らせます。

厚生年金保険に加入している会社員は特に、自営業者よりももらえる年金が多いので、本来そこまで焦る必要はありません。退職金や企業年金も含めて、無頓着な方が本当に多いですよね。

まずはご自身のこれまでの働きを労いつつ、本書を参考に老後(定年後)の収入を把握してみましょう。

パズルのように考える!?

老後のお金の不安は、「もらえるお金のパズル化」で解消できると、大江氏は提唱しています。このようなワードを作り出せることが本当にすごいです。老後の収入が把握できたら、パズルを組み立てることができ、課題を明確化できます。そして、会社員(だった)の方の場合には、そこまで大きな手を打つ必要はないことに気付くはずです。

「ありたい自分」になることを応援してくれる本

本書は説教話が書かれているわけではありません。我慢して老後を暮らすのではなく、「生き生き」「元気よく」老後を暮らしてほしいという、大江氏の温かいメッセージが含まれています。

漠然と老後が不安な方におすすめの動画

次に、漠然と老後が不安な方には、これまでLINEやZOZOの執行役員などを務めてこられた田端信太郎氏のYouTube動画がおすすめです。「趣味は炎上」という田端氏ですが、この動画に関してはぐうの音が出ないほど、当たり前のことを言っているのでご安心ください 笑

こんな方におすすめ

年齢問わず、「なんとなく老後が不安」という方を是非ご覧ください。なんとなく不安な方には、動画の方がいいと思います。書籍やWeb記事などのテキストベースのものを紹介しても、恐らく行動には移さないと思います。

注目ポイント

田端氏の動画も、大江氏の本も、数年前に話題になった「老後2,000万円問題」が入口です。「老後を心配する必要はない!」ということも両者に共通していますが、それは「行動」したうえでの話であることが重要です。その行動こそ「投資」です。

田端氏のたとえを文字にするとこうなる

田端さんが例として紹介している運用方法は次のとおりです。私も全面的に、この運用方法を支持します。

■年齢 30歳
■積立期間 35年
■積立金額 2万円/月
■購入商品 米国S&P500をベンチマークとするインデックスファンド
■年平均利回り 7%

この条件で、資産が65歳になる35年後にどのようになっているかはすぐに計算できます。図の下に記載しているリンクから、是非ご自身のシミュレーションをしてみてください。

出典:モーニングスター| iDeCo加入者診断&節税シミュレーションサイト

これだけで、老後2,000万円問題は解消されるのです。大江氏の本にもある通り、会社員の方であれば、公的年金(国民年金・厚生年金保険)や、退職金・企業年金と併せれば十分な金額と言っていいでしょう。

普遍的な答えが詰まっている

この動画はあくまで、老後にお金のことで悩まないことを目指す方におすすめの動画です。今すぐお金持ちになりたい方やFIREをしたい方は逆に、この動画を視聴している場合ではないです。

幸いなことに、日本人の多くは、今日の食事に困ることはありません。一方で、多くの人が漠然と老後に不安を抱えているのが日本の現実です。その不安や悩みに対する普遍的な答えが、この動画に詰め込まれています。

この動画を観て行動に移し、あとはほったらかすだけでOKです。漠然と悩んでいた時間は、思いっきり趣味や自己投資にあてましょう。

投資は国民の義務!?

田端氏のYouTubeからもう1つ、次の動画もおすすめです。

岸田内閣が目指す「新しい資本主義」の1つとして、「資産所得倍増プラン」が昨年末にまとめられました。NISAの拡充はその1つです。投資はもはや「お金持ち」だけがするものではありません。

「資産所得倍増プラン」からのメッセージは、「投資せよ。国だけでは守れないから」でしょう。「労働せよ。あとは国が守るから」という、1960年代の所得倍増計画とは根本的に異なります。投資をして、お金にも働いてもらうしかないのです。

そのスタートに田端氏の2つの動画は本当におすすめです。

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